受賞者紹介 (第6回受賞当時)
中西 由起子氏(東京都、54歳) 
 ■ 現 職
アジア・ディスアビリティ・インスティテ−ト(ADI)代表
 ■ 略 歴
中西 由起子氏(東京都、54歳)
1980〜82 国際障害者年日本推進協議会秘書
1983〜86 障害者インタ−ナショナル(DPI)アジア太平洋ブロック評議会事務所企画運営
1986〜89 国連アジア太平洋経済社会委員会(ESCAP)障害者問題専門官
1990〜現在 アジア・ディスアビリティ・インスティ−ト(ADI)代表
1990〜現在 DPI日本会議会員国際部長
1990〜現在 NHK関東甲信越地方放送番組審議会委員
1990〜現在 JICAイシュ−別支援委員会「障害者支援」委員会(NGO)委員
 ■ 主要な活動実績
中西由起子氏は、自分自身の障害者としての体験の中から、障害者のエンパワメントこそアジア太平洋地域における障害者の状況の向上に寄与するとの確信を持って、20年余にわたりアジア太平洋の障害者を支援してこられました。アジアの途上国でもアクセスの状況が改善され、サ−ビスも増えつつあるとはいえ、障害者がなすべきことはまだまだ多いとの認識に立って、特に自助団体の強化と自立生活運動の推進によって障害者のエンパワメントを高めることが急務であるとする中西氏の戦略はアジア地域で支持を受けられつつあります。
 また、日本でのアジア全般に対する関心が薄かった頃から、国連ESCAPや国際NGO障害者インタ−ナショナル(DPI)における活動の中で障害者グル−プとのネットワ−クを培い、アジア全ての国に障害者の仲間を持つ、アジアの障害者のお母さんでもあります。
(1) 日本の障害者団体と共同でのアジア障害者の自立生活研修事業のコ−ディネ−ション
(2) アジアでの自立生活概念と技術の普及 
例えば、フィリピンでは第1回アジア太平洋自立生活ワ−クショップを支援 マレ−シアではマレ−シアとインドDPI代表による日本での自立活動個別研修の開催
(3) 日本の障害者のアジアでの研修プログラムの企画・運営
例えば、タイでの3障害者グル−プの研修のコ−ディネ−ション等
(4) CBR(地域に根ざしたリハビリテ−ション)の研究および日本での概念の普及
例えば、JICA障害分野コ−スでの後援、WHOCBRコンサルタント講演会開催等
 ■ 今後の活動
教育や社会参加の機会に恵まれない障害者が多いために指導力が不足していたり、資金集めのノウハウに乏しいなどの問題を抱えている途上国の障害者団体が、政治活動、雇用機会の創出、識字教育、自立生活運動、啓発活動まで幅広く行っていけるよう草の根での活動を支援することを優先課題とする中西氏の戦略は次の十年に大きな実を結ぶと考えられます。